映画『愛がなんだ』は女子の7割経験あるんじゃないか説
岸井ゆきの演じるテルコが、成田凌演じる田中守に都合のいい女扱いされる映画『愛がなんだ』を観劇しました。立ち見続出の人気の秘密をオススメ映画のリコメンドと共に紐解いてみます。原作は角田光代さん。
このブログは音楽ブログなんですが、番外編でたまにこういう記事もぶっ込みます。1人映画も趣味なんです。でもちゃんと音楽のリコメンドがあるから安心して音楽好きも読んでください。
ブラウザ閉じてんじゃねぇぞ、戻れ。
映画『愛がなんだ』、あれ絶対経験ある女子多いだろ。
めっちゃ軽いネタバレあるので、観てから読むか、ネタバレOKな人だけ読んでね。
愛がなんだ、満員御礼状態
基本的に映画は水曜のレディースデーに利用することが多いんですが、当日だとほんとにチケット取れません。取れなくて2週見送りました。
前日にネット予約しろよ、って思われると思いますが、気分屋なので当日の気分や天気を確認しないと動きたくないんですわ。
で、結局昼過ぎに上映回数の多いテアトル新宿に着いたのに、どの時間も立ち見席のチケットしかなかったので、数億年ぶりに立ち見で映画観ました。これはこれでなんかオツ。いや嘘、普通に途中床に座った。
正直なんでこんな人気なのか分からないんですよ。これは観る前も観た後も謎です。
多分だけど
- クズ男を成田凌が演じるのは神
- 都合のいい女扱いされた経験者が学びに行く
って理由が多いのでは、と思います。
てか私がそうなんだわ。
クズ男を演じたら神だと思うと俳優は成田凌と池松壮亮とオダギリジョー。これマジで異論は認めたくない。
ちなみにこの3人に共感する方は
こちらの映画もオススメでござる。
いい感じにクズです、良き。
あとで出てくるので端折ってますが、南瓜とマヨネーズという映画も良いです。
岸井ゆきのの顔面偏差値が超リアル
めっちゃ好きな女優さんなんですけど、岸井ゆきのさん。岸井ゆきのが成田凌から都合のいい女扱いされてるって構図がマジでリアルなのよ。
特別めちゃくちゃ綺麗でも、バリキャリでも、モデル体型でもない普通女の子が、イケメンでクリエイティブ職(成田凌演じる田中守はデザイナーでさ)の、優しさ・面倒見の良さと都合の良さが紙一重で勘違いさせちゃう系男子に引っかかる構図。
身に覚えありすぎて笑うー!
ほんと笑うー!
家にいるのに「ちょうど会社出るとこ」って嘘ついたり、ついつい家の片付けしちゃったり、そういうのもリアル。
てか私事すぎるけど、成田凌演じる田中守が世田谷代田に住んでるのが、またすげぇリアル。
岸井ゆきの演じる山田テルコを居酒屋に呼び出し、タクシーで帰るときに先に乗り込み「世田谷代田まで」って言ってテルコを手招きしたの本当リアル。
わたしにも「マジでこの作品デジャヴだわ」っていう過去があるんですけど、その相手がまさに世田谷代田住んでたわけよ。タクシー乗ったことはないけど。はー、怖。なんなの統計取ってんの?
好きな人とどうでもいい人に分かれる
テルコが会社をクビになり、元同僚と公園で話をするシーンでこんなセリフがありました。
「好きとどうでもいいに分かれる」
わかるぅ。
嫌いじゃないんだよ、もっと悪いかもしれないけど、どうでもいい。興味ない。
だからといって実家暮らしでもないと仕事までどうでもよくなるわけにはいかないんですが、好きに依存というか執着しちゃう気持ち分かる。
どうでもいい話を聞いて欲しくなる寂しい夜
テルコの友人の葉子ちゃん、深川麻衣ちゃんが演じてまして、テルコ役の岸井ゆきのちゃんとは朝ドラ「まんぷく」で姉妹役を演じてるのでエモかった。
この葉子ちゃんが女版田中守でして、自分に好意がある男の子、ナカハラを都合のいい男扱いしてるんですね。
なので女子に振り回されたことある男子にも割とおすすめよ。
テルコとナカハラが2人でお酒を飲みながら「寂しい夜に自分のことを思い出して欲しい」「どうでもいい話を聞いて欲しくなるときとかね」なんて会話をするんですが、たしかにそういう夜ってあるよなあ、って。
でも物語の後半
寂しくなるのは僕たちみたいな人なんです。葉子さんは寂しくなることなんてないんです。
って真理に辿り着いちゃうのよ、ナカハラ。
これも分かる、ってなる。
結局誰かにどうでもいい話を聞いて欲しくなる寂しい夜は、聞いて欲しい相手が明確に居る人にしか訪れないのよ。
誰でもいいとか、自分に好意を持ってる雑に扱える相手がいいとか、そういうのもあるけど、それって寂しいというか疲れてたりむしゃくしゃしてるとかだと思うのよね。
今でも好きだと思ってるの?という強がり
田中守に突然「もう会うのやめよう」と言われちゃうテルコ。そのときに「分かった」って言えずに、結局だらだらと会える関係を作っちゃうんですよ。
それくらい会えなくなるのが無理なんだよね。
分かる。分かるけど、それマジで沼だぞ。
一緒に居たいがゆえに他の人巻き込んだり、うまく言い訳して口実つくったり。
好きとか愛とか恋とかじゃなくて、
依存、執着みたいになるんですよね。
よく分からない関係
都合のいい関係
セフレ
これって例えると非合法なクスリというか、居心地良かったり楽だったり幸せだったりする分、依存性が高くなっちゃったりもするわけよね。
そして体も心も蝕まれる。
特に、どちらかがあからさまな好意を抱いてしまった場合はつける合法的なクスリがない。
『愛がなんだ』を好きな人にオススメの映画
まあこんな感じで『愛がなんだ』は、多分女子の7割(男子は何割だろう、教えて男子諸君。)が似た経験を持つであろう都合のいい、主観すれば都合の悪い片想いの映画なわけです。
個人的な『愛がなんだ』好きは、多分これも好きよ、っていう映画をご紹介します。
魚喃キリコ原作の少女漫画の実写化です。オダギリジョーがいい感じのクズ男演じてて、これがマジでいい塩梅です。
付き合って長い彼氏とマンネリして、昔好きだった女癖悪いけど色気のある危険なタイプの男と再会して、ついそっちに走っちゃう臼田あさ美がリアル。
これ個人的に大好きな映画で、もう何回も観てます。劇中歌のくるり最高。
『愛がなんだ』にも出てくる江口のりこさんも出てます。江口さんこの作品でも中々するどい立ち位置のキャラ演じてる。
クズというか優しすぎる優柔不断な男を妻夫木聡が演じてて、我が強いくせにどこかで色んなことを諦めている不思議なキャラのヒロインを池脇千鶴が演じてます。マジでハマり役。あとご飯食べたくなる。
- 夜空はいつでも最高密度の青色だ
クズ男を演じさせたら天下一品の池松壮亮と、これもまたいい感じの顔面偏差値の石橋静河が出てます。
ストーリーは説明しにくいんだけど、都会で毎日を余裕なくただ生きてる2人が、なんとなく惹かれ合って、でもきちんとした関係になることはなくて、ただお互いの存在に何となく支えられてる。そんな感じの作品です。
センター街走り抜けてコンビニ弁当食べだくなる映画。主題歌のThe Mirrazの「new world」が良き。
あとは『愛がなんだ』の監督、今泉力哉さんが似たようなリコメンドしてくれてるからそれ参考にして。ジョゼ被ってるけど、それくらいジョゼはいいぞ。
映画『愛がなんだ』を気に入ってくれた方には、山下敦弘『どんてん生活』犬童一心『ジョゼと虎と魚たち』井口奈己『人のセックスを笑うな』トッドヘインズ『キャロル』ヴィンセントギャロ『バッファロー'66』ソフィアコッポラ『SOMEWHERE』黒沢清『CURE』今泉力哉『サッドティー』見てほしいです。
— 今泉力哉 (@_necoze_) 2019年4月29日
ちなみにバッファロー66とsomewherdが個人的に好き。
劇場増えるってよ
マジで平日ですらチケット難民になってしまっていたんですが、5/10くらいから劇場増えます!
都内は渋谷、新宿、有楽町、六本木、池袋、吉祥寺などで観れるので、都合のいい恋愛をしてきたりされてきた方々は、自分を投影しに行ってみてください。
余談だけどベッドで勃たないシーンがマジでリアルというか、よくあるよね、って感じでその辺もリアルでした。
映画『チワワちゃん』でも似たシーンあるんだけど、あれ女子は割と何とも思ってないけど男子めっちゃ焦るよね、なんで?
観終わったあとはyonigeがおすすめ
『愛がなんだ』を観終わったあと、言葉にできない感情やモヤモヤがあったらyonigeというバンドの曲を聴いてください。
いい感じに脱力してて、
いい感じに振り回されてて、
いい感じに恋愛に疲れてます。
『愛がなんだ』の後のオススメはこの2曲。
では。