愛と孤独とロックンロール

音楽カルチャーを自分勝手に愛するブログ

歌詞と曲と声の三つ星レストラン。Plentyの素晴らしさを語りたい

最近もっぱらplentyを聴いてます。
志摩遼平の言葉を借りると
「まるで映画のような音楽」です。
これ以上にハマる言葉がないと思う。
 

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特出して好きなバンドを挙げるのならば
GOOD ON THE REEL
という私なわけですが、Plentyもここにはいる。
 
ミスチルバンプはその歌詞の素晴らしさに、
GOTRは千野さんの類稀なる歌唱力を表現力と歌詞に、
心を持って行かれているんですけども。
 
Plentyは特徴的な声とその歌詞と、そして曲ですね。
 
昨今巷に蔓延している踊れるロックからはかけ離れています。
バラードでもアップテンポでもなく、
散歩してる時に聴くような、歩く早さの曲。
アンダンテっていうんですかね。
 
声は流行りのキー高めの中性的な声。
ボーカルの江沼さんがまんま中性的。
 

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歌詞はバンプのようなストーリー性のある厨二心にドストライクというわけではなく、
RADWIMPSのようにぶっ飛んだ宇宙規模のラブソングでもなく、
ミスチルのようなシンプルな言葉だからこそ心に刺さるような、それに近いですね。
 
好きな歌詞をつらつら書いていきます。
 
 
「おりこうさん」
ハローハロー おりこうさん
多忙野望 優越感
疲労疲労 連体感
ヘロヘロ この安本丹
 
ハローハロー 頓珍漢
いつしか劣等感
過労過労 閉塞感
ガオーガオー 火を噴くぞ
 
「さよならより、優しいことば」
見知らぬ宇宙のどこかで
うっかり出会えるはずだろう
だから今、忘れておくれよ
この僕を
だから今、目前の朝を喜ぼう
 
それじゃあね
またね
 
「人との距離のはかり方」
言葉にするだけ無駄かもな
でも言葉にしなくちゃダメだよな
誰かに頼まれたわけじゃないけど
信じたいんだよ
似た者同士だろう ねぇ
 
平行と垂直さ
「並ぶ」のもいい
「重なる」もいい
「気にしない」もいい
楽じゃない・・・
 
傷つきたくない僕がいて
傷つけたくない僕がいる
苦い実かじるも君となら
暗いトンネルも君となら
 
「よい朝を、いとしい」
気まぐれを許してよ
今日までも、そして明日からも
よい朝を、いとしい人
よい朝を・・・
 

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この江沼さんタイプすぎてつらい。

 
なんだろうね、いつもの毎日の
(いつもの毎日ってすごく変な言葉だな)
隣にいてくれる歌だと思うんだよね。
 
これは私が26歳という妙齢で
まあそれなりに忙しく働いていて
その割に全然納得のいく結果が出せなくて
好きな人がいるわけでもなくて
結婚の予定もなくて
仕事も疲れてきて
でもやっぱりやりがいがあるときもあって
 
そういう、頭の中がいつもごちゃごちゃしたような
そんな毎日を歩く私より、
少しだけゆっくりのテンポで
 
後ろからニコニコついてきてくれるような感じなの。
とっても優しい。
 
そんな言葉たちを
ギターとベースとドラムの3ピースバンドらしく
余計な音のない、でも飽きのこない
ゆったりとしたメロディーラインに乗せて
江沼さんの中性的な
細くて高めの寂しい声で追いかける。
 
無駄がないことはすごいと思うんですよ。
化粧にしろ調味料にしろ、
使えばもっと良くなるというのも楽しいとは思うのよ。
 
でも素材の美しさや美味しさには
勝てない時もあるじゃない?
 
それなんです。
 
 
田舎から街に出てきて
ホームから改札を抜けるまでも行列で
ぶつからずに人と歩くなんてできなくて
 
そんな窮屈な街で息をしていると
人気の少ない帰り道にイヤホンさして
ポケットに手を突っ込んでフラフラ歩く
そういう思うがままの時間が愛しくなる。
 
plentyがくれるのは、そういう時間。